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【イケメン戦国】私と猫と

第28章 桜の咲く頃  四幕(十二歳)


「これはいいな。確かに足腰の鍛錬になりそうだ」
「さすがは佐助殿っ!手頃な運動にもなり、かつ兵の鍛錬にも使える道具とはっ!このような紐ひとつでなんとっ…」

ひゅん、ひゅんと、飛びながら感想をいう信玄と兼続
兼続はかなり器用で、後ろ跳びまでしていた

「っ、くそ!なかなか難しいな二重跳びはっ」

幸村は、先ほどから二重跳びに挑戦するも二度ほど飛んで引っかかる
それの繰り返しだ

三人は、縄跳びに興味を持ったのだろう
佐助お手製の縄跳びをしっかり懐にしまった

「ふふーん、湖、幸に勝ってるねっ」

佐助の袖を引き嬉しそうに言った湖

「だね。でも、幸村は油断ならないから気をつけてね、湖さん。彼はああ見えて努力の人・・」
「うっせーよ、佐助。余計なこというなっ」

幸村は二人の直ぐ側にくると、側にあった湖の額を指で弾き「明日には負かしてやる」と宣言した幸村は、有言実行だった
翌日には三重跳びまでして見せることになるのだから

そんな様子をみていた信玄と兼続は

「あっという間でございますね…少し前まで、年の離れた兄妹に見えておりましたが、今は差ほど年の差はないのですから」

まだ少しだけ佐助と湖の身長も伸びるだろうが、外見で言えば早々離れているそうには見えないのだ

「だなぁ…あれで、十二だ。十五になったら、いい女の顔が出てくるんだろうな」

十五であれば、結婚し出産をしていてもおかしくない年頃だ
幸村にやられ、自分もやり返そうとする湖を視界にいれた信玄は苦笑いを浮かべた

(正式に娘にすれば、いずれ嫁に出す準備が必要になるんだよな……しかしな…)

ちらりと、横を見れば
隣にいた兼続は無意識だろうが湖の部屋の方を見ている
そこに今いるのは白粉だ
先ほど話を聞けば、湖が寝かしつけ今日は一日起きてこないだろうと言うのだ

(まさか三日も見張りで寝ていなかったとはな)

娘の身に危険を感じたのか、警戒が解けない母猫は三日も寝ずに警戒していたのだと言うのだ

「兼続、一度白粉の様子を見てきてくれないか?湖は一日起きないだろうとは言っていたが…相手は、白粉だからな。何時起きるともかぎらんだろう?」
「…さようでございますね。様子伺いで、後ほど外から声をかけてみまする」

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