第16章 発覚
徹が買ってきてくれたおにぎりを食べる。
倦怠感はまだあるが、目眩はしなくなった。
「病院まではタクシーで行くか。」
「え、いいよ。歩く。お金勿体ないじゃん。」
「俺に担がれて人目に晒されながら病院に行くのとタクシーどっちがいい?」
「…タクシーで。」
優しいくせに、意地悪な言い方をする奴だ。
まぁ、それが徹なんだけど。
「今何時?」
徹がスマホで時間を確認した。
「13時。食べて準備したら行くか。」
「うん…。」
検査結果は気になるが、聞くのが少し怖い。
もし何か大きな病気だったらどうしよう。
…白血病だったら、どうしよう。
「徹ー。」
「ん?」
「もし私が何か大きな病気だったらどうする?」
「…その時になったら考える。だからお前も今から余計なこと考えるなよ。」
「うん、わかった。」
今は、徹の存在が凄く心強かった。
私達は出かける準備をし、タクシーで病院に向かった。
徹はタクシーの中でずっと私の手を握っていた。