第16章 発覚
目を覚ますと、徹がいなかった。
無性に寂しくなり、涙が頬を伝う。
なぜ、徹がいないだけで泣いているのだろう。
まるで小さな子どもみたいだ。
その時、玄関のドアが開いた。
徹がコンビニの袋を持って帰って来た。
「あ、起きたか…って、なんで泣いてんだよ。」
「起きたら、徹がいなかったから…。」
「ああ…起きたらなんか食うかと思ってコンビニに買いに行ってた。」
徹はコンビニの袋をテーブルの上に置くとベッドの傍に座った。
「なに、お前。俺がちょっといなくなっただけで泣くほど寂しいの?」
私の涙を拭いながら、からかう様にそう言った。
「別にー…お腹すいた。」
「適当に買ってきたから、好きなの食え。」
私はベッドから出て徹の隣に座った。