第16章 発覚
徹はベッドの傍に座り、心配そうに私を見つめる。
「徹、学校に行く準備しなくていいの?」
「俺も今日は休む。」
「え…ダメだよ。ちゃんと行って?」
「お前置いて行けねーよ。」
申し訳ない気持ちでいっぱいだが、今、傍にいてもらえるのは心強かった。
「あ、七瀬に連絡しないと…。」
「俺がしとく。お前はもう少し寝ろ。」
「うん…ありがとう、徹…。」
そう言って、目を閉じた。
七瀬にメールで、今日も二人とも休むことを伝え、眠るシュリを見つめた。
あの医学の番組を見た日から、俺は時間さえあれば白血病について調べている。
まだシュリが白血病だと決まった訳ではないが、調べずにはいられなかった。
シュリの髪をそっと撫でる。
こんなに誰かを愛しく、大切だと思ったのは初めてだ。
だから、俺に出来ることは何でもする。
「…シュリ、好きだ。」
穏やかな顔で眠るシュリにそう言った。
早く検査結果を聞きたい。
それで何も無ければ、この不安も無くなるのに。