第16章 発覚
病院に着き、タクシー代は徹が払ってくれた。
「徹、お金…。」
「いいよ。俺がタクシーで行こうって言ったんだし。」
「…ありがとう。」
待ち合い室で順番を待った。
その間お互いに一言も喋らず、看護師さんに名前を呼ばれた。
診察室に入ると、この前と同じ医師だった。
「こんにちは、明智さん。」
「こんにちは。」
医師は徹に目線を送った。
「彼は、明智さんのご家族かな?」
「いえ…違います。」
徹は何も言わなかった。
医師が、血液検査の結果表を見せた。
「血液検査の結果、白血球の数が異常に多く、赤血球や血小板が減少しています。先日の問診と合わせて考えると、明智さん、あなたは白血病の疑いがあります。」
目の前が真っ暗になった。
一番最悪な予想が、当たってしまったのだ。
医師は話を続けた。
「明智さんには骨髄検査を受けていただく必要があります。紹介状を書きますので、そちらの病院で検査を受けて下さい。」
「わかりました。」
呆然とする私の代わりに徹が返事をした。
会計を済ませ、紹介状を受け取り、私達は来た時と同じ様にタクシーでアパートまで帰った。