第1章 ☆徳川家康☆ ~幸福な道~ /連載中
―ふぅ
稽古が終わり自室に戻る。
綾の嬉しそうに笑う顔が頭を離れない。
そんな自分に気付き、無理矢理気持ちを押し殺した。
飛び込んできた時、綾の左腕が赤くなっていたのを思い出す。
―手間のかかる、、、
そう言って、俺は塗り薬を調合して綾の部屋を訪れた。
『手…見せて』
『えっ?』
一瞬、戸惑いを見せておずおずと前に差し出してきたその腕をぐぃっと引っ張る。
―やっぱり
先ほどより、赤黒くなっている。
―全く、ここまで頑張る必要ないのに
イライラしながら俺は持ってきた薬を塗ってやった。
『あ…』
俺の行動に、驚いたのか綾が恥ずかしそうに俯いている。
細くて、滑らかな白い肌…
―くっ