第20章 未来への扉
事務所にもどってスマホを見ると
着信が残ってる。
夏希?
急いで履歴を見ると
…クロだった。
なんだろう?
俺からかけ直すと、すぐに繋がった。
『もしもし、クロ?』
『よ、久しぶりだな。』
『だな…着信、なに?』
『なんか、俺に相談したいこと、ない?』
『え?』
『だからぁ、
"恋のレスキュー隊"に相談したいことは
なーいでーすかっ?』
…あ…
多分、夏希がクロに相談したんだ。
ここが、突破口になるかもっ。
『相談したいこと、ある!
あるあるある!相談、のってくれ!』
『いいよ~。』
『今、時間、大丈夫?』
『なになに、そんな長くなる話?
いいよ、俺、超 ヒマだから。』
『あのさ、』
『ん?ん?どしたどした?』
『俺さ…腹減って死にそうなんだ。』
『はぁっ?知るか、そんなの。
そこらでなんか買って食え!
恋のレスキュー隊に、飯の相談、すんな!』
『違う、相談したいのは飯じゃない!
今から会って飯、食いながら話せないか、
ってこと!』
『なぁんだ、驚かすなよ(笑)』
『クロに飯の相談なんかするわけねーじゃん(笑)
じゃあ、一時間後、どう?』
『いいよ。じゃ、あとでな。』
プツリと通話が切れたスマホを見つめる。
言っておくけど、
クロに相談もちかけた夏希のこと、
ヤキモチ妬いたりする気は
さらさらない。
むしろ、ひとりで抱え込まずに、
クロに声をかけたこと、エライと思う。
クロなら、絶対、
プラスになる言葉をかけてくれる。
俺は…出来なかった。
何を、どう相談したらいいか、
それさえわからなかったから。
今でも何をどう話すかなんて
まだまとまらないけど、
クロなら、
俺の気持ち、
拾って、繋いでくれる。
頼りっぱなしで悪いけど…
とにかくクロに、
"恋のレスキュー隊"に(笑)
話してみて、何かヒントを…
夏希とうまくやっていくヒントを
探す。
絶対に。