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ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第20章 未来への扉



それからしばらく、
本当に、夏希からは連絡が途絶えた。
年末年始の連休。
1月は仕事もオフシーズン。
今こそ、一緒にゆっくり
過ごせる時期だというのに…

梟谷の木葉君たちの結婚式があったのは
ちょうどこの頃で。

完全に落ち込んでいた俺だったけど、
彼らを見てて、気持ちが少しかわった。

あの個性的な3組の夫婦を見ていると、
それぞれの困難を
それぞれのやり方で
越えてきたんだろうと思う。

みんなが出来るんだから、
俺に…俺と夏希に
出来ないわけがない。
そのやり方が、まだわからないだけ。

とにかく俺は、
それを、探さなければ。
次に夏希と連絡を取るときは、
勝負に出ないといけない、と
なんとなく、わかってる。

このまままた、なんとなく仲直り、では
きっといつか、同じ事を繰り返してしまう。

お互いが言いたいことをいい、
俺が謝って治めるだけではダメだ。

そうでなければ、
多分、俺たちは、近いうちに破局する。

たくさんのカップルを見てきたから
わかるんだ。

こういうピンチを
二人で乗り越えられたかどうか。

乗り越えられた二人にだけ、
その先の扉…結婚…が
開くのだろう、って。

その扉を開く鍵を。
俺が探す。


だって俺、
会えない間もずっと、
夏希のこと、考えてる。
ケンカしたって、
ちっとも嫌いになんかなれない。

むしろ、
ますます大事で。
きっと夏希も同じ気持ちだ、って
信じてる。

俺と一緒にいる時間を…
俺と一緒にいられない時間も…

我慢ではなく楽しみで満たしてあげたい。

どうしたらいいんだろ。

夏希、
もうちょっとだけ、待ってろよ。

お前がくれたこの時間、
俺、絶対、無駄にしない。

俺達の次へ繋がる扉の鍵を、
必ず、必ず探すから。


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