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ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第14章 祝福の拍手



泣き止んだ彼女は、俺に言った。

『ケイ君のこと、大好きだったけど、
親の反対を押しきってまで
一緒にいることは出来なかった…
私達は、そこまでの二人だったんだと思う。』

『烏養さんも、同じ事を言ってた。』

『それから…
山口君が私のこと気にしてくれてるのも
ちょっと気付いてた。
気付いてたから、甘えてた。ごめん。』

『…だよね、気付くよね(笑)
俺、ガン見してたもん。』

『私、山口君といると、
すごく自分のままでいられて、居心地がよくて。
だから…』

『俺、烏養さんとは全然違うタイプだけど…』

『ケイ君は、刺激的な人だった。
山口君は…長く一緒にいたい人、なのかも。』

『早瀬さん、』

今しかない。
烏養さんのエールを思い出す。
"想いを、まっすぐ、届けろ。"

『烏養さんのこと、
まだ忘れられないだろうし、
俺のことも、まだ男として
見てもらえないかもしれないけど…

俺と
つきあってもらえませんか?

俺、ずっと、好きだったんだ。
早瀬さんのこと見てたくて、
こっちに就職決めたくらい、好きだ。

早瀬さんのこと、一番大事にする。
早瀬さんのお父さんにも、
納得してもらえるように、頑張る。

烏養さんにも、そうやって約束してきた。

だから、俺と、つきあって下さい。』

『…うちのお父さん、厳しいよ?…』

『うん。でも、
納得してもらえる男になれるように頑張るよ。
認めてもらえるまで、何度でも頭、下げる。
俺、諦めないのが、取り柄だから。』

『…なんて、呼んだらいい?』

『え?』

『みんなの前では"山口君"って呼ぶけど、
二人の時は、二人だけの呼び方、したい。』

『早瀬さん、それって…』

『ほら、私のこともアキってよんでよ。
…ね、忠くん!』

忠くん?!

『忠くん、私、相当、寂しがりやで
マイペースで、わがままだからね。
つきあうからには覚悟して下さい、
どうぞ、よろしく!』

…あ。
ちょっとだけど、笑ってる。

俺のひまわりが、生き返った。

他の誰でもなく、俺が自分で
この花を咲かせることができた。


嬉しくて、嬉しくて…


何度もキスの雨を降らせる。

もう、乾いたりしないように。

いつもいつも、
俺の愛情で潤わせていてあげなくちゃ。



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