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ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第14章 祝福の拍手



『頼んだぞ、山口。
お前なら、早瀬を幸せに出来る。

お前がどんだけ根性あるか、
お前がどんだけ自分と戦ってきたか、
お前がどんだけ優しい男なのか、
よーく知ってる俺が言うんだから
間違いねーよ。

お前の想いを、
早瀬にまっすぐ、伝えてやってくれ。』

…烏養さん。
俺、やっぱり烏養さんにはかないません。
そしてやっぱり、烏養さんは尊敬出来る。

だから、その言葉、信じます。

烏養さんの分まで、
早瀬さんを幸せにしたい。

『烏養さん、俺、
今から早瀬さんに会ってきます。
そんで、ちゃんと、
俺の気持ち、伝えてきます。』

『おお、頼んだぞ。
お前なら、俺も、安心だ。
ビシッと1本、決めてこい!』

…まるでコートに送り出すときのように
俺の背中をバシッと叩いた烏養さん。

そのエールを、俺も、全身で受け止める。

烏養さんの気持ちに応えるためにも、
俺を選んでもらわなくては。

『山口、
早瀬に伝えてくれ。

…お前が幸せにならねーと、
俺もいつまでたっても次に行けねーから…
さっさと幸せな報告しに来い、って。
あんまり待たせるなよ、って。』

胸が苦しい。
お互いに好きなのに、
それだけではうまくいかなかった二人。

俺の、大事な二人。

でも、二人の決意は変わらない。

その間に入る俺。

もう、
憧れとか、
見てるだけでいい、なんて
中途半端なことは言ってられない。

俺が二人を、
それぞれの未来にむかって進ませる。
烏養さんと早瀬さんの人生までかけた、
大役だ。




『…俺、行ってきます。』




絶対に決めなければならない場面。
"逃げ"のサーブは許されない。
うまくいくことだけを考えて。
俺の人生で最高の"攻め"の一本を。




そんな覚悟で店を出る。



『おい、山口。』

烏養さんの声が、
俺の背中を追いかけてきた。

『お前らの結婚式には、
絶対、招待してくれよ。
心から、祝福するから、な!』

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