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ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第14章 祝福の拍手




『じゃ、どうして…』

『恋愛なら、
好きって気持ちが1番重要だろーな。
でも、結婚ってなったら
それだけじゃ、ダメだったんだよ。』

『気持ち以外に、何がいるんですか?』

『ハッキリ言うと、
早瀬のオヤジさんにとって
俺は、嫌いなタイプだったってことだ。

金髪だったり、こんなちっちゃな商店で
店番してる30中盤の男に、
大事な娘は渡せん、ってさ。

ま、そりゃそーだろうな。
向こうはしっかりした会社に勤めてる
堅気で真面目なオヤジさんだ。

早瀬が銀行員になったのだって、
オヤジさんのすすめらしいし。

銀行員とか、
それこそ公務員とか、
そういう男と結婚してもらいたいだろーよ。
親としては当たり前の判断だ。』

『でも…髪なんて、染めれば…』

『イヤ、そういう問題じゃねーんだ、多分。』

『?』

『髪を染めれば俺を娘婿と認めるか?
それだけじゃ、気が済まねーだろーよ。
じゃ、それ以外のことも全部、
向こうのオヤジさんの気に入るように
変えたとしたら?
もう、それは"俺"じゃねーんだよ。

自分を棄ててまで、俺は結婚しねーし、
早瀬も、
親を棄てて俺を選ぶことは出来ねー。
つまり、俺たちは、付き合い止まりの相性、
ってわけさ。』

…早瀬さんが俺の髪を、
黒くてサラサラだって言ってたこと、
好きな人のためなら何でも出来るか?
って聞いてきたことを思い出す。

『だから、別れたんですか?』

『そーだ。あいつも20代半ばだ。
結婚できねー男と付き合い続けるのは
時間の無駄だからな。

マネージャーしてるとこ見てれば
山口だってわかるだろ?
あいつは世話好きで明るくて、
きっといい嫁さんになる。

家族が納得してくれる男、見つけて
早く結婚した方がいい。』



…二人が別れたのは、
烏養さんが早瀬さんを
大事に思ってるから、なんだ。
早瀬さんも、
それがわかってるから別れた。
だから、嫌いになれないんだ…

…俺が出る必要がないくらい、
二人は、お互いのことをわかりあってる。

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