第117章 シルバーアクセサリーは温泉で黒くなる。
過去の想い出に浸る二人だったが、その時、先程温泉へと訪れたお登勢達の会話が届く。
お登勢「こっちにも別の湯があるんじゃないかい?」
葵咲・土方「!?」
どうやら葵咲達が隠れている方へと向かって来ようとしている模様。二人は身を隠す為に、慌てて葵咲が土方を更に奥へと押し込もうとする。
葵咲「土方さん、もうちょっと奥に!!」
土方「ちょ!」
奥には入り込めた。だがその事で二人の肌は直接触れ合う。その事に遅れて気付く葵咲はハッとなって顔を赤くする。
葵咲「ッ!!」
土方「・・・・・っ。」
勿論、土方の方も顔は真っ赤。だが今更この場から出られるはずもなく、二人は顔を赤らめたままその場で呆然とする。
そんな二人の気配に気付いたのは、からくり家政婦のたま。たまは葵咲達のいる方へと進めていた足をピタリと止める。
たま「!」
お登勢「どうしたんだい?たま。」
たまが足を止めた事で、一緒に歩を進めていたお登勢達も立ち止まる。たまは首を横に振り、別の方向を指差して答えた。
たま「こちらではなく、あちらの方の…奥に秘伝の湯があると聞きました。」
お登勢「そうかい。じゃあそっちに行くとするかね。」
そうしてお登勢、たま、キャサリンの三人は先程葵咲達が浸かった血の池地獄のある奥の方へと歩んで行った。
三人の気配が去った事を注意深く探り、土方は大きなため息を吐く。
土方「…どうやら行ったみてぇだな。とりあえず俺ァ今のうちに…。」
さっさとこの場を退散する、そう言おうとした土方だったが、隣にいる葵咲の様子がおかしな事に気付く。
葵咲は顔を真っ赤にし、ぐったりして目を回していた。
葵咲「・・・・・。」
土方「おい、葵咲?葵咲!葵咲ァァァァァ!!」