第116章 手が届かないよりも、手の届くのに触れられない方が辛い。
二人は再び歩き出し、玄関へと辿り着く。そこで葵咲は“何か”を見付け、目を細めた。
葵咲「…ん?将ちゃんんんんん!?」
将軍が白目を向いて転がっていた。そしてその将軍を見下ろすのは銀時、土方、ヅラ子の三人。葵咲は慌てて駆け寄って三人に言葉を投げた。
葵咲「ちょ、何やってんの!?」
銀時「げっ!葵咲…!」
土方「俺達ゃ別に…!スタンドに憑依されそうになった将ちゃんを救っただけだ!」
葵咲「ホントに!?」
ただただビビって将軍を巻き込んだのではないのか。そんな疑いが浮かぶ。葵咲はキッと睨むように土方を見上げる。だが…。
葵咲「…っ!」
睨んだ相手は先程松本に気付かされた自分の想い人。土方の顔を見て、葵咲は松本との話を思い出して頬を赤く染める。土方はてっきり葵咲に叱られると思っていた。だが謎に顔を赤くする葵咲を見て怪訝な顔を浮かべた。
土方「? どうした?」
葵咲「いっ、いや!別に…!!」
葵咲は慌ててバッと視線を反らす。そんな二人の様子を少し離れた場所から松本は眺めている。少し寂しそうな顔を浮かべる松本。そんな松本に背後から話し掛ける人物がいた。
「それで良かったのか?」
松本「!」
自分達が最後だと思っていた。まさか背後に誰かいるとは思ってもみなかった。松本は背筋をビクリとさせて慌てて振り返る。
松本「…盗み聞きですか?流石はKING OF ストーカー、悪趣味ですね。」
近藤「ここでストーカーは関係ないよね!?」
声を掛けたのは近藤だった。近藤に驚かされたのが癪だったのか、松本は嫌味の言葉を近藤へと浴びせる。完全なるとばっちりだ。