第7章 崩壊
私がフェリドから槍を抜いたら、すぐにミカは剣を向けるのをやめた。
ふと私は思い出す。
ミカは優を探しているはずだと。
さっきまで近くにいた優たちだけど、今はいない。
救護施設に行ったのか、それとも近くの建物の中にいるのか。
三葉もいない。
グレンはまだ生きているのかな。
私が刺したのだけれども、やはり致命的な傷だ。
2人とも無事だといいと願うしかなかった。
そして、私はフェリドを殺さねばならない。
そして、ミカに私がみやびだと知ってもらわねばならない。
だけど、そんな私の考えと対照的に、フェリドを殺すことだけを考えることになってしまうなんて。
そのためには、グレンだってミカだって、、優だってどうでもいい。
殺せるならどんなことになってもいい。
殺せたら誰が犠牲になってもいい。
完全に私は意志のないただの鬼となってしまった。