第7章 崩壊
私はその声に聞き覚えがあった。
懐かしく落ち着く声。
きっとミカの声だ。
ミカは私だと気が付いていない。
だって、私はミカの部屋にいるはずなのだから。
「ミカ、、やめて私だよ、みやびだよ。剣なんか向けないで」
「……みやびは、黒髪でないし、髪もそんなに長くない。
それに、ツノなんか生えていない。嘘をつくならもう少しマシな嘘を考えろ。それより、、早くそれを抜け。殺すぞ」
私は、自分の姿が変わってしまっていたことを初めて知った。
だけど、それよりもミカが私だと気づいてくれなかったことがなりよりもショックだった。
私は槍を抜く。
「ミカくんありがとう。この前のかりはチャラだね〜」
自分の命が危なかったというのに平然で、まるで何事もなかったようにフェリドは言った。