• テキストサイズ

終わりのセラフ

第6章 新しいワタシ




涙がポロポロとこぼれる。

男の人は驚いて、大丈夫かいと尋ねてきた。
大丈夫です、と何回も言った。

そんな泣きじゃくる私の頭を撫でてくれた。
小さな子どもを褒めるように。

お父さんみたいだった。

私にはお父さんに捨てられたから余計嬉しくて、でも何だか照れくさくて。照れくさいけど、このままずっと頭を撫でて欲しかった。



甘えてる場合じゃないよね。

ここは戦場であって早く集合場所に向かわなきゃ。

この人も連れて行かないと。私よりひどい怪我を負っている。
助けないと。

とりあえず救護施設に連れて行って、その後、集合場所に行く。
だけど、もう集合場所にはいないだろう。

「私の背中に乗ってください。救護施設までおんぶして連れて行きます」

私は男の人の前にしゃがむ。


「そ、そんな。君だって、大量に血が出ているじゃないか」


私は自分の体を見る。
制服に血は大量についている。
だけど、なんで?
傷は1つもない。私は生きているよね、、?



「あ〜ぁ、めんどくさいなぁ」
そんな声が聞こえたかと思えば私はすでに夢の中にいた。
/ 133ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp