第3章 戦場
「優さん。私は右から攻めます」
「任せろ!」
「おい優!!後ろ気をつけろよ」
「助かった君月」
「いきます!みなさん、伏せてください」
ドォーーーーン
与一の矢が当たったようだ。
どうやら、シノア隊は吸血鬼を1体倒したらしい。
私は、見捨てられたより、置いてかれたという気持ちだった。
もうこの場から逃げたかった。
申し訳なかった。恥ずかしかった。馬鹿だった。
未熟な私が来てはいけなかった。
このまま死んでしまいたかった。
そう思った私は気がつけば逃げ出していた。
無意識で、いや無我夢中で逃げていた。
そして、目の前にはあの憎き吸血鬼がいた。
一目見れば思い出した。
私の家族を殺したフェリド・バートリーだった。