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My important place【D.Gray-man】

第38章 幾哀心



「じゃあ私行くから」

「あ…待てよ、雪──」


 妙に引っ掛かる雪の知らなかった顔に咄嗟に椅子から腰を浮かせれば、同時にぞわっと背中に寒気。
 振り返れば──…げっ
 ビシビシと確かに当たってくる気配の出所は、離れた席でこっちを静かに睨んでくるユウの顔。

 怖っ!
 オレ別に疾しいことなんて何もしてねぇけど!?

 そんなユウにビビってる間に、雪は足早に食堂を去ってしまった。
 同時に、ユウの鋭い視線もオレから逸らされる。

 …あれ絶対わざとだよな。
 ただ話しかけただけだろ、ちょっと引き止めようとしただけだろ。
 普段の雪じゃ見られない表情というか雰囲気というか、そういうもんが気になっただけで…。


「……」


 なんてぇか…やっぱそれってユウの影響なんさ?


「…女って変わるんさなぁ…」


 女らしさなんて持ってなかった雪なのに。
 それも意図的に振り撒いてるものじゃなく、自然と滲み出てるもの。
 よく言うもんな、恋する女は綺麗になるとかって。

 リナリーに飾られた時みたいな、意図的なもんもある。
 でもそれだけじゃない、雪自身から感じられるもの。
 ……オレが雪に対して特別な想いがあるからわかるのか、そこはわかんねぇけど。

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