My important place【D.Gray-man】
第38章 幾哀心
「というか頭イカれたって何。人が苦しんでるのに、呆れた目向けてくるって何。"大丈夫か"くらい言えないのかな君はっ」
「大丈夫か、蕎麦は」
「そこ!?」
…つかさ、あれ見て恋人同士だって気付けって方が無理だろ。
水をガブ飲みしながら抗議する雪に、蕎麦を食う手も止めずに言い返すユウは、いつも通りの姿。
まー、普段のユウより口数多く見えなくもないけど…雪を女として扱ってるようにはまるで見えないし。
リナリーから聞かされなきゃ、簡単には気付けなかったと思う。
「ああもういいよ…優しさを求めた私が間違ってました…バファリンでも飲んだらいいよ優しさ貰ってきたらいいよ」
いやそれただの歌い文句だから。
優しさで半分できてる訳ねぇから、あれ。
「阿呆なこと言ってねぇでさっさと食え。お前仕事入ってんだろ」
「え?…あっ!」
時計を見た雪の顔色が一気に変わって、慌てて蕎麦を腹に収める。
「ごちそー様っ、じゃあまたね」
「ああ」
あっさりと手短な言葉で別れるところも、オレの知ってるいつもの雪とユウ。
なんも変わんねぇ、いつもの二人。
…本当に付き合ってるんさ? あれで。