My important place【D.Gray-man】
第37章 6/6Birthday(番外編)
「ワイズリー、雪のことちゃんと視ててねぇ」
「うむ。勿論」
頼み込むように笑いかければ、その目も優しく微笑み返してくれた。
「……」
「なぁに? ティッキー」
視線を感じるままに顔を向ければ、興味深そうに見てくるティッキーと目が合う。
「いや…二人共あのお嬢さんに、えらく肩入れしてんなって」
「えー? だって…ねぇ?」
「のの~」
「え、何そのアイコンタクト。意味深に笑うのやめてくんない?」
もう一度ワイズリーと目を見合わせて笑い合えば、ティッキーの顔は僅かに引き攣った。
あ、面倒なもんに触れたって思ったでしょ。
今。
いいもーん、そんなティッキーには教えてあげないもん。
「ティッキーには秘密だよ~」
「だのう~」
「…何このハブられ感」
きっとワイズリーも覗いたから知ってる。
雪が一人で抱えてる、弱いその心。
誰にも見せずにずっと抱えてたものだから、大事にしてあげなくっちゃ。
大事に大事に、抱きしめて。
あのコがもう一人で泣かなくていいように。
「じゃがそういう御主も、興味を持っておるだろう? 雪に」
「そうなのぉ?」
「…………そうやって人の思考読むのやめてくんないマジで」
「のの~♪ 覗いてなどおらんぞー、御主がわかり易いだけだのー」
「嘘くさっ」
ふぅん。
ティッキー、雪のこと気に入っちゃったんだ。
………あ、でも。
それならイイコト思いついちゃった。