My important place【D.Gray-man】
第37章 6/6Birthday(番外編)
「ねぇティッキー」
「んだよ」
「ボク、ティッキーなら雪をあげてもいいよ」
「は? なんの話?」
「だからちゃんと捕まえててね」
「だからなんの話。全く理解できねぇんだけど」
「御主は馬鹿だからの」
「いや馬鹿とか関係ねぇから。意思疎通張りに会話できんのお前らだけだから」
雪の想いはボク達とは別に向いてる。
教団と根深い関係にある、第二使徒のあのコに。
でもそれじゃあ、雪が苦しくなるだけ。
苦しい思いなんてさせたくない。
それならどうすればいい?
答えは簡単。
その別に向いてる想いを、こっちに向けさせてあげればいい。
雪もティッキーには自分の名前を教えてくれてたし、ティッキー自身にもその兆候はあるみたいだし。
上手くいけば、きっとボクの望む最高の形になる。
「あーあ、早く会いたいなぁ」
フォークに刺したケーキの欠片を頬張って、ロウソクの浮かぶ天井を見上げる。
出会い頭はなんて声をかけよう。
「はじめまして」かな?
「久しぶり」の方が合ってるかも。
「会いたかったよ」って伝えてもいいかな。
…ああでも、やっぱり。
「きっとあれが一番」
もう独りぼっちじゃないよって、抱きしめて教えてあげるんだ。
「おかえりなさい」って口にして。
Happy Birthday…?