My important place【D.Gray-man】
第37章 6/6Birthday(番外編)
「もぉ、いいよ~。でも次は見つけたらちゃんと捕まえるんだよ」
早く会いたい。
まさか教団側の人間だったなんて。
雪のノアメモリーがあそこの人間達に見つかったら大変なことになる。
早く会って、助けてあげなくちゃ。
「でもまさかアイツがラースラだったとはな…」
「ヒヒ、デビット仲良くしてたねぇ~」
「してねーよッ! オレはあんな女嫌いだッ」
「そお?」
悪態つきながら吐き出される言葉は、雪への悪口ばかり。
でもねぇ、知ってる?デビット。
キミって興味持ったものにはなんだって突っかかっていくでしょ。
それに本当に嫌ってたら、半身のジャスデロも同じに悪態ついてるはず。
そうじゃないってことは、つまりそういうこと。
言ったら全否定されそうだから、言わないけどね★
「ううむ…しかし些か面倒なことになったかもしれんのう…」
口元に片手を当てて、何やら考え込んでいるワイズリーは難しい顔をしていた。
ワイズリーがジャスデビの頭を覗いて、雪との接触がわかったんだよね。
…でも面倒ってどういうこと?
「面倒って何が?」
ボクと同じに興味を持ったのか、ワイングラスに口つけていたティッキーが問いかける。
「"ボンドム"のノアメモリーを流し込んでおるのだ。何かしら"ラースラ"のメモリーに影響を与えるのは必然じゃろうな」
「ふーん…それっていいことなんじゃねぇの? ノアの覚醒が近付くってことだろ」
「ううむ…」
雪の"怒"のメモリーはボク達ノアの中で、一層強烈だから。
その影響力は与えるも与えられるも強い。
ジャスデビのメモリーと接触してノアとしての覚醒が近付くなら、ボク達には願ったり叶ったり。
だけどワイズリーだけはずっと難しそうな顔をしていた。
「吉と出るか凶と出るか…見守っておかねばのう」
ぽりぽりと額の第3の目の縁を掻きながら、探るように呟く。
…確かに、覚醒が早まったからって楽観視はできない。
ちゃんと雪を手に入れるまでは。