My important place【D.Gray-man】
第37章 6/6Birthday(番外編)
「全部は脱がさねぇよ。その為に着せたんだ」
「へ…?」
そんな私の不安が伝わったのか、当たり前に言いきるユウに思わずマヌケに声が漏れる。
その為にって…こんなプレイする為に?
……。
…なんですかそれ性癖ですか。
それ暴君様の性癖なんですか着衣プレイ。
「…んだよその顔は」
「や……まさか着衣プレイが好きだったとは…」
「は?」
思わずまじまじと近くにある美形をガン見すれば、その形の良い眉は潜められた。
「別に好きな訳じゃねぇよ。脱がしていいなら全部剥くぞ」
「えっ」
そ、それは困るっ
「言っただろ、俺へのプレゼントだって。ならちゃんと飾っておかないと駄目だろ」
「ん…ッ飾るって…な、に」
尚も、まるで故意的にしているかのように、ゆっくりとユウの手がファスナーを下ろしていく。
外気に触れる背中を、ひんやりとした大きな手が這う。
背中を撫でるその行為は、あやすと言うよりもどこかやらしい手付きで体が火照るのを感じた。
そんな私の顔を至近距離で覗き込みながら、ユウは平然と、
「何って、ラッピング」
そう言いきった。
……。
……………着衣プレイじゃなく、誕生日プレゼントと言う名の変態プレイだったんですか…。
「祝い足りなかったんだろ。昨日そうぼやいてたじゃねぇか」
「それは…そう、だけど…」
「だから貰ってやってんだよ」
って、それはケークサレで!
私はケーキじゃありませんけど!?
「貰うって…ッだ、大体なんで腕を拘束する必要なんてあるのッ」
「拘束じゃねぇよ、そいつは………リボン代わりだな」
「その間は何、その間は」
絶対、今考えたでしょ。
一瞬考えたでしょ。
真顔で思わずツッコめば、目の前の顔は鬱陶しそうに舌打ちをした。
…なんで私が舌打ちされなきゃならないの。
「ったく、うだうだ言うな。俺が貰ったもんを好きに使って何が悪い」
「それ髪を結──…んぅッ」
正しい使い方を言いきる前に、ユウの口に塞がれる。
や、使ってくれるのは嬉しいんだけどね。
だけどね、使い方間違ってるから色々と!
…そう言いたくても、言葉は全部呑み込まれてしまった。
くそぅ、絶対わざとだ。