My important place【D.Gray-man】
第37章 6/6Birthday(番外編)
「なんでそんな怖い顔してんの…?」
「……」
もう一度、恐る恐る問いかけてみる。
だけどその問いへの返答は一切なし。
腕組みして目の前に仁王立ちしたまま、じろじろと頭から爪先まで睨み付けられる。
…あれ、なんか予想と違う。
もっとこう…アレンみたいに満面の笑みとまではいかなくても。
ラビくらいには、目を見張ってくれるかと思ってたのに。
…あわよくば"可愛い"って言ってもらえるかな…とか、そう…期待しちゃったり、とか…
とか……とか……………暴君様に期待した私が愚かでした…。
「却下だ」
「え?」
長い沈黙に耐え切れなくなりそうになった時。やっと口を開いたかと思えば、次に暴君様が吐いたお言葉は否定を表すもの。
ええええ。
却下って…似合ってないってこと?
そりゃあ、リナリーみたいな可憐さは惹き出せないだろうけど…そんなにはっきり言われるとさすがに凹むんだけど…。
…幼馴染がリナリーだから、美少女で目が肥えちゃったんだね…。
……うん、それ私悪くないよね。
「却下って…じゃあなんで着せたんですか…」
思わずがっくりと項垂れれば、
「俺の誕生日だから」
そうあっさりと返された。
いや…うん。
日付は過ぎてるけど、確かに誕生日だからって望みを聞いたよ。
聞いたけど、じゃあなんでそんな怖い顔してんの。
ユウの望み通りに着飾ったんだから、可愛いねって笑顔で言ってくれたって──……や、それはそれで気持ち悪いか…。
「却下なのは、他の野郎の前に晒すって意味でだ。腕出せ」
「え?…はい?」
それって…というか腕?
言われるがまま片手を差し出せば、もう一方の手も掴んで引き寄せられる。
何?