My important place【D.Gray-man】
第33章 Twin of a bond
「人違いだから! 私ラースラなんて名前じゃないし…っ」
「そーだぜ、ジャスデロ。ワイズリーが見せた記憶ん中じゃ、こんな女っぽい奴じゃなかっただろ」
自分の顎に手を当てて、歩み寄ってきたデビットがしげしげと私を見て眉を潜める。
何、女っぽいって。
確かに今日はいつもと違う格好してるけど。
なんではじめましての少年にそこを否定されなきゃならないの。
「ヒ~…でもなんか似てるって思ったんだけどなぁ…」
「他人の空似だろ。オレは嫌だからな、こんな奴が新しい家族だなんて」
む。
しょぼんと落ち込むジャスデロに、きっぱりと私を指差してデビットが首を横に振る。
家族なんてなる気は全くないけど、流石にそんなに拒絶されると、かちんとくる。
「私だってごめんです。こんなファンキー電波系少年」
「あ?」
きっぱりと言い返してやれば、ギロッと睨まれた。
中身は子供っぽいし少年らしい少年だけど、その目は年相応には見えない殺気のようなものがあった。
到底少年が浮かべるものじゃない強さに、思わず一瞬気圧される。
「…言ったな」
怒りを含んだ声で歩み寄るデビットが、私を見て──…不敵に笑った。
…あ。
なんか嫌な予感。
「ジャスデロ、この女押さえてろ」
「ヒ? ラジャー」
「は?ってちょっと!?」
あっさりと背後に回ったジャスデロが、がしっと私の両脇の下から腕を通して羽交い絞めにしてくる。
な…っ何この慣れた動き!
「連れて帰るの?」
「オレはまだ認めてねェからな。ジャスデロの言う通りにコイツがラースラだったら、その時は持ち帰ってやる。違ったら玩具箱行きだ」
「は…っ!?」
持ち帰るとか玩具箱とか何!?
人を玩具感覚で扱うの、やめてくれませんか…!