• テキストサイズ

My important place【D.Gray-man】

第33章 Twin of a bond



「人違いだから! 私ラースラなんて名前じゃないし…っ」

「そーだぜ、ジャスデロ。ワイズリーが見せた記憶ん中じゃ、こんな女っぽい奴じゃなかっただろ」


 自分の顎に手を当てて、歩み寄ってきたデビットがしげしげと私を見て眉を潜める。

 何、女っぽいって。
 確かに今日はいつもと違う格好してるけど。
 なんではじめましての少年にそこを否定されなきゃならないの。


「ヒ~…でもなんか似てるって思ったんだけどなぁ…」

「他人の空似だろ。オレは嫌だからな、こんな奴が新しい家族だなんて」


 む。

 しょぼんと落ち込むジャスデロに、きっぱりと私を指差してデビットが首を横に振る。
 家族なんてなる気は全くないけど、流石にそんなに拒絶されると、かちんとくる。


「私だってごめんです。こんなファンキー電波系少年」

「あ?」


 きっぱりと言い返してやれば、ギロッと睨まれた。
 中身は子供っぽいし少年らしい少年だけど、その目は年相応には見えない殺気のようなものがあった。
 到底少年が浮かべるものじゃない強さに、思わず一瞬気圧される。


「…言ったな」


 怒りを含んだ声で歩み寄るデビットが、私を見て──…不敵に笑った。

 …あ。
 なんか嫌な予感。


「ジャスデロ、この女押さえてろ」

「ヒ? ラジャー」

「は?ってちょっと!?」


 あっさりと背後に回ったジャスデロが、がしっと私の両脇の下から腕を通して羽交い絞めにしてくる。
 な…っ何この慣れた動き!


「連れて帰るの?」

「オレはまだ認めてねェからな。ジャスデロの言う通りにコイツがラースラだったら、その時は持ち帰ってやる。違ったら玩具箱行きだ」

「は…っ!?」


 持ち帰るとか玩具箱とか何!?
 人を玩具感覚で扱うの、やめてくれませんか…!

/ 2655ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp