My important place【D.Gray-man】
第33章 Twin of a bond
「胸クソ悪ィ、さっさとアレ頂いて帰るぞジャスデロ!」
「ラジャー!」
「あ、ちょっと!」
空のはずの銃を構えて店内に向かうデビットに、びしっと敬礼したジャスデロが続こうとする。
弾は入ってなくても、強盗はできる。
咄嗟にその包帯を巻いた腕を掴んで、動きを阻止していた。
「ヒッ?」
「駄目だって!」
あのデビットって黒髪少年は口調と同様に性格もキツそうだけど、このジャスデロって金髪少年は幾分素直さが残ってるように見える。
ちゃんと話せば、良心はあるかもしれない。
「さっきは悪かったから! 上から目線で見てました!」
「はっきり言った!?」
無意識だったけど、多分そうなってたと思う。
そこはうん、ごめん!
「ちゃんと話聞くから…ッだからそっちもちゃんと話聞いてっ…ジャスデロ、君」
「!」
説得するには歩み寄ることが大事。
恐る恐る、間違っていないだろう、その名前を呼べば、そのまんまるな目は更に丸く見開いた。
まるーい目を食い入るようにじっとこっちに向けて………うん。
ちょっと…怖いん、ですけど…。
アイメイク、キツいから…。
「おいジャスデロっ何してんだよ! そんな女さっさと──」
「デビット」
「んだよっ」
荒々しく応えるデビットに、ジャスデロの目は私に向いたまま。
食い入るように私を見たまま、不意にがしっと両肩を掴まれた。
……へ?
「この女の子…ラースラに似てない?」
「「……は?」」
重なったのは、私とデビットの声だった。
…ラースラ?
誰、それ。
「やっぱり似てる! ほら、ワイズリーに見せてもらった女の子! デロ達の新しい家族だよっ」
「はぁ? そいつがラースラ?」
弾んだ声で振り返るジャスデロに、訝しげなデビットの目が向く。
いや、ちょ。
人違いですって。
誰、ラースラって。