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My important place【D.Gray-man】

第48章 フェイク・ラバー



リナリーにより、事の説明を受けた。

リッチモンドが千年伯爵と繋がっていたブローカーであったこと。
其処でAKUMAによる人身売買が行われていたこと。
複数のノアと出会し一戦交えたこと。
そして雪のノアの暴走を抑えたことまで。

イノセンスの可能性を考えていた動く絵画は魔法界のものであった為、収穫は成し得なかった。
その絵画である太った婦人とスクイブであったリッチモンドは、ダンブルドアの手により保護されている。
大破したリヴァプール大聖堂とリッチモンド邸は魔術により元通りに直され、マクゴナガルの忘却術により人間───彼らで言うマグルにも、騒動のことは誰一人記憶に残されていないという。

人身売買も大量のAKUMAもノアとの戦闘も、事実を把握しているのはこの建物内にいる魔法使いと教団の者達だけ。
それでもそれは確かにあった事実なのだと、リナリーの話を聞き終える頃には雪の視線は下がっていた。

自分が何をされ、何をしたのか。
断片的にでも思い出したからだ。



「雪は…憶えてる?自分の身に起こったこと…」

「…所々なら」

「そう…傷は、ダンブルドアさん達が治してくれたの。私達も含めて。だから怪我は大丈夫だと思うけど…でも、」



不死鳥のフォークスはその場に残したまま、ダンブルドアは事を気遣ってか席を外してくれていた。

二人だけの空間。
どこか歯切りの悪いリナリーの言葉に、手元に落としていた視線を上げる。
見れば、彼女は不安な表情を浮かべていた。



「何も、されなかった?…ノアに関すること、以外で…」



リナリーにとって、ジョージの腕の中で気を失っている姿が、ノアから奪還した雪の最初の姿だった。
その時雪が身に付けていたものは、ほとんど裸体に近い下着姿。
それもノアの暴走により焼け焦げ、まともな姿をしていなかった。

何故そんな姿をしていたのか。
それはリッチモンドの自白により明白となった。

雪もまた誘拐された人間と同様に競売に賭けられ、そしてノアの手に落ちたのだ。
競り落とした人間を餌や玩具として弄ぶ為の部屋に、ノアの手により連れて行かれた。
考えたくはないが、その間に何もなかったとは言い切れない。

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