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My important place【D.Gray-man】

第48章 フェイク・ラバー



細長い影が滑るようにして、双子の足元に舞い下りる。
手慣れた様子で双子が飛び乗ったのは、なんの変哲もない箒だった。
自在に空へと飛び上がる点だけを除けば。



「お次も我らが"WWW"!悪戯専門店お手製グッズです!」

「その名もウィーズリーの暴れバンバン花火!」



両側から円を描きながらティキの頭上を滑るように飛び、華麗にティーズの群を躱す。
二人の手から放たれたのは、色とりどりの花火だった。
巨大ネズミ花火やロケット花火や線香花火。
大小様々な花火が綺麗に夜空を飾るが、それだけではない。



「なんだこれ…っ」



まるで意志があるかのように、ヒューヒューと唸ってはバチン!とティキの目の前に迫り不規則に踊り火花を散らす。
体に触れないようにすれば熱さは感じない。
しかし目が眩むような不規則な発光体は、視界の邪魔となる。



「ヒ!?デビット!デビット見て!アレ!」

「あ!?んだよジャスデロ!今はコイツを…おぉお!?スゲー!なんだアレ!?」

「なんだあの奇っ怪なものは…!」



炎を上げる狭い室内から、激しく拳を交えながら飛び出してきたジャスデビとクロウリーもまた目を見張った。
ジャスデビに至っては、キラキラと目を輝かせサーカス団でも現れたかのような騒ぎだ。



「気に入ったのならぜひ"WWW"へお訪ね下さい!」

「特とご堪能あれ!」



空いっぱいの火花を纏い、フレッドとジョージの掛け声でゆっくりと暗闇に浮かび上がる巨大なドラゴン。



「キャー!ドラゴンだァー!」

「カッケー!」

「………(餓鬼だな…)」



両手を握りしめ興奮するジャスデビに、すっかり戦意喪失されたクロウリーが無言で卑下する。
それ程に目を見張る花火の龍は、唸り声を上げ牙を剥き、ゴーレムであるティーズを蹴散らしながらティキへと一直線に降下した。

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