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My important place【D.Gray-man】

第48章 フェイク・ラバー



「まぁでも、それなら僕らもニンゲンモドキじゃないかなぁ」

「確かに。マホウモドキよりそっちの方が良いな」



うんうんと頷く双子の声は些か柔らかい。
突然の同意にきょとんと目を止めるクロウリーに、双子は同時ににひりと笑って見せた。



「アレも思いっきりそうみたいだけど」

「アレはニンゲンじゃないね」



そんな笑顔も一転、引き攣った顔でクロウリーの背中越しに緑色の瞳が捉えたものは。



────ザンッ!



激しい摩擦で切り裂かれたAKUMAの肉塊が、ドシャリと床に伏せる。
刃に付いた血を振り払いながら、神田は足元に転がるAKUMAの頭を見回した。
気付けば神田一人を残して、倒れ込んでいるAKUMAの数々。
床は一面血の海のように染まっていた。



「おい」



変声機を外した声は、外見に見合わない地響くような低いもの。



「死んだフリするな。急所は外してある」



虫の息だがどうにか命を繋いでいるAKUMA数体に呼びかけながら、六幻を一体のAKUMAの顔面にドスリと突き立てた。
否、辛うじて避けたそれはAKUMAの頭に一筋の切り傷を作りながら、床に突き刺さる。



「テメェら全員、俺の質問に正直に答えろ。脳味噌を串刺しにされたくなかったらな」

「な、何を言っゲ!」

「口応えした奴も殺す。わかったら薄汚い口を閉じろ」



反論したのは、頭に切り込みを入れられたAKUMAだった。
しかし皆まで言わせず、今度こそ床から跳ね上がった六幻に顎から脳天まで切り裂かれて一瞬にして肉塊と化す。
凍る空気の中、虫螻のようにAKUMAであった残骸を見下ろす神田の意思には血も涙もない。
返り血の付いた彫刻のような作りの顔が、尚の事恐ろしい。



「俺の欲しい答えだけを寄越せ」



それは有無を言わさない恐喝だった。



「…ホーンテールより恐ろしい生き物だなアレ…」

「…ディメンターの方がまだ可愛く見えるぞ…」

「なんであるかそれは?」

「ドラゴンさ。それも一層気性の荒い奴」

「ディメンターは人の生気を吸う刑務所の番人」

「……成程」



思わずクロウリーも納得してしまう。
今の神田に引けを取らない例えである。

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