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My important place【D.Gray-man】

第48章 フェイク・ラバー



「ああ…!君のそんな冷たい態度も素敵だよ!ゾクゾクする♡」

「きしょい。体クネらせんな」

「うえ…今ならティキと共感できるわオレ…」

「ホント、シェリルって綺麗なもの好きだよね〜」

「美しいものこそ正義!美しさこそ愛!外見より中身だとかあれこれ綺麗事は言われるけど、外見も磨かずして低俗な美を語らないで欲しいね」

「いや俺ら何も言ってねぇから」

「つーか騒ぐなっつってたのテメェだろーが」

「そーだそーだっ」



言い出した言葉で咎められると、流石に思い直したのか。
椅子に座り直しながら、シェリルは声を潜めた。



「でも本当に君は伴侶を選ぶに苦労しない容姿なのに。なんでそんなに世帯を持つことを嫌がるんだい?」

「寧ろよくそんな面倒なもん持とうと思ったな」

「そこに"愛"があるからさ。僕は愛妻家だからね」

「そういう体(てい)だろ。所詮、家族ごっこじゃねぇか」

「遊びであってもそこに愛があることには変わりない。だから面倒だなんて思わないよ、彼女を取り巻くものだって愛おしくなる。人間好きのティッキーならいつかわかると思うけど」

「………」

「その証拠に、僕は人間とは一人しか交わってないしね?」

「うえっそういう話止めろよ。身内の性事情なんてヘドが出るぜ」

「ゲロゲロ〜!きもちわるうう!」

「…君達のその継ぎ接ぎだらけの口から愛なんて言葉が飛び出したら、それこそ反吐が出そうだよ」

「ああん!?」

「んだとゴラァ!」


「…なんで千年公はこの組み合わせにしたんだ…(ぜってー相性悪いだろ)」



何かあればすぐに険悪ムード。
主にジャスデビが発端だが、シェリルのストッパーとなるロードがいなければ彼が本当に暴走した時に止められる者はいない。
呆れ顔で溜息をつきながら、しかしティキは沈黙を作った。
面倒事は何かと嫌う自分だが、思い当たる節はあったからだ。

ワイズリーが繋げる夢の先にいる、遥か遠くの彼女に興味を持った。



───ガコンッ



思考を止めたのは、不意に響いた重低音だった。
何かの装置を止めたような音。
言い合いを止めたシェリルやジャスデビと共に目を向ければ、床下から競り上がってきたのか、誰もいなかったはずの中央舞台に突如現れた人影が二つ。
ワイズリーと同じシルバーブロンドの髪の男と、車椅子に座る女。

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