My important place【D.Gray-man】
第45章 10/31Halloween(番外編)
「聞くならちゃんと聞いてってば…!こんなセーター一枚で外なんて彷徨いてないから!そんなの恥ずか死ぬ!」
胸を這う神田の手首を掴んで力を込める。
振り返りキッと赤い顔のまま睨み付ければ、神田の動きも弱まった。
「これは単にこういうデザインなだけでっ下もちゃんと服着てたからッ狼になった時に破けただけで…ッ」
なんとか早口で説明を捲し立てる。
素肌を晒した背中を向けていることは恥ずかしかったが、今この現状を脱する方が先だ。
一からきちんと説明すれば、神田は黙ったままだったが手を止め耳を傾けてくれた。
勿論、ラビとトクサが告げた"童貞を殺すセーター"などという単語は敢えて外した。
「───だから、今こんな格好なだけで…他意は何もないから」
「………」
「納得、してくれた…?」
「………」
「ユウ?」
「………」
どうにか説明を一通り終えて、神田の反応を伺う。
じっと無言で聞いていた神田は、視線を丸裸な雪の背中へと移した。
辿るように、腰のラインから尻の上部までしっかり露わになっている肌を見下ろして。
「…なんで下着まで裂けんだよ。漫画か」
「───ッ!?!!」
セーターに指先を引っ掛けて、くいっと引っ張り覗く下半身。
何も身に付けていない尻を見て不満を漏らせば、声にならない叫びを雪は上げた。
ナチュラルにセクハラをするのは止めて欲しい。
「な、納得、できたならもういいでしょっ?この足退けて」
「………」
なんとか体を捻って向きを変える。
丸裸な背中を隠して壁にめり込む足を指差せば、すんなりと神田も足を退いた。
壁を貫通して破壊するまでには至らなかったことに、ほっと一安心。
なんとも心臓の縮まる壁ドンだ、二度は遠慮したい。