My important place【D.Gray-man】
第45章 10/31Halloween(番外編)
「す、勧めてくれたのはリナリーだよっ試着の時に可愛いねって褒めてくれて…っでも購入決めたのは自分だか」
「嘘つけ」
「即否定!?嘘じゃないけど!」
「リナが、んな服勧めるかよ」
「勧めるかもしれないでしょっ?ユウはリナリーの好み把握してんの!?」
「知るか。だがこんなふざけた服勧めるような奴じゃないことは知ってる」
「どこがふざけて───」
いるのか、と。
言い終わる前に、神田の手が雪の肩を掴む。
有無言わさない強い力で掴まれたかと思えば、壁に向き合うように体制を変えられ押し付けられた。
「っ?な、何急に…っ」
「これのどこがふざけてないってんだよ。なんだこの造り、男誘ってんのか」
「え……あっ!」
ひやりと冷たい神田の手が、肩から背中へと滑るように這う。
直に肌に触れられている感覚に、はっと雪も理解した。
神田が言っていたのは、この大きく肩や背中から腰まで露出したセーターのデザインだったのだ。
「獣の姿でわざわざ服着る訳もねぇだろ。まさかこんな姿で教団彷徨いてたなんて言わねぇだろうな」
「ち、違う!誤解!色々誤解だからッ」
「何が誤解だ、言い訳があるなら言ってみろ」
「これはそもそも───…んっ」
きちんと説明しなければ、と口を開けば漏れたのは言葉ではなく吐息。
「ユウっ!?ちょ…っ」
するりと簡単に裸同然の背後からセーターの下へと潜り込んだ神田の手が、雪の無防備な胸を撫でたのだ。
「何、して…ッ」
「ほら言えよ、言い分とやらがあるなら。俺は聞いてる」
「ッ…」
言えと催促しながら、掌は両胸を包み込んで確かな動作で揉み刺激してくる。
つまりは"聞く"だけで、行為を止めるつもりはないらしい。
それだけ無駄なものだと言っているつもりなのだろう。
確かにこんな姿でいれば、何を言っても言い訳にしかならないかもしれない。
しかし不可抗力なものは真実だ。
このまま好きに体を弄られて納得はできない。