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My important place【D.Gray-man】

第45章 10/31Halloween(番外編)



「ぁたた…」

「ったく、何してんだ」

「あはは…ごめん、ありがと」



溜息混じりに差し出される手に甘えて掴まる。
強い力で引き上げてくれる神田の顔は呆れたものだったが、お陰で先程の怒りは殺がれてくれたらしい。



「大体エクソシストの仮装とやらも中途半端じゃねぇか。なんだこれ」

「中途半端って…んっ」

「なんだこの耳と尻尾」

「ぁ、あんまり引っ張んないで。感度はあるんだから」

「…へえ」

「ってちょっと。だから握らないでって…あぃたッ!?」

「本当に感覚あんだな」

「そう言ってるから!引っ張って確かめないでくれる!?」



獣耳を摘み、ぐいぐいと引っ張ってくる神田には遠慮がない。
雪の反応に興味でも引かれたのか。
背後で揺れるふさふさの尾にも手を伸ばそうとするものだから、雪は慌てて距離を取った。
中庭で神田に毛並みを撫でられるのは心地良かったが、遊び心で触れるのは止めてもらいたい。
例え恋仲の相手であっても、好奇の対象になるのは願い下げだ。



「それ以上触ったら怒るからね!?」

「はいはい、わかったよ。もうしねぇから、威嚇すんのやめろ」



獣耳と尾を逆立てて警戒する様は、まるで獣そのもの。
つい込み上げそうになる笑いを堪えて、神田は催促するように片手を差し出した。



「それより六幻と団服。玩具にしてないで返せ」

「あ。うん」



そこは反抗することなく、言われるがまま握っていた六幻と着込んでいた団服を神田に差し出す。
笑いを耐えて見ていた神田だったが、雪が団服を脱ぎ差し出す姿を目にした途端。



「───ッ」



急にピシリと固まった。

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