第45章 10/31Halloween(番外編)

いいなぁ

私も参加したい

私もあの子達と同じ、子供だから

きっと参加しても許されるよね？



お母さんがいたら、小母さんの子みたいに衣装を作ってもらって

大きな籠を抱えて、お菓子を貰いに行くんだ



一人でいつも遊んでいたから、自然と身に付いた空想遊びをして思いを馳せた



沢山のお菓子を一日で貰えるなんて

お腹いっぱい食べても怒られないのかな

きっと怒られないお祭りなんだ



なんて素敵な日なんだろう



貰ったお菓子、全部一人占めできるんだ

仕事だって休んでもきっと怒られない

お祭りなんだから、一日くらいなら



なんて魔法のような日だろう



衣装は魔女っ子がいいな

私のお母さんなら、きっと作ってくれる

お隣の子が着てたような、可愛い花で飾られた三角帽子がいい

嶋縞模様のカラフルな箒を持って、リボンの付いたマントを着て

皆で衣装を見せ合って出掛けるの



いいなぁ

いいなぁ










『とりっく…おあ、とりーと』










"お菓子をくれなきゃ悪戯するぞ"なんて

大丈夫、悪戯なんてしないから

良い子でいるから

だから、私も遊びたい










『とりっく、おあ、とりーと』










今年は無理かもしれないけれど

来年は、お父さんとお母さんが迎えに来てくれるかも

そしたら、私もきっと

皆とあそこに混じって遊べる










『とりっく おあ とりーと』










何度も繰り返し繰り返し、思いを馳せては練習した

魔法のような、その言葉を

私もいつか言えるように










何度も　何度も