My important place【D.Gray-man】
第45章 10/31Halloween(番外編)
ぽつりぽつりと、割れた窓の外で揺れる温かそうな光
誘われるようにして窓際に寄れば、それがなんなのかすぐにわかった
大小様々な、幾つもの提灯のような灯り
南瓜を模したその灯りを持って、夜だというのに出歩いているのは町の子供達だった
皆揃いに揃って、奇妙な格好をして
魔女やドラキュラや骸骨や狼人間
お化けのような仮装
まるで絵本の中から出てきた世界のようだった
あの子の言ったことは本当だったんだ
気付けば夢中になって窓際に齧り付いていた
『ハッピーハロウィン!』
『トリック オア トリート!』
列を成してあちこち家を訪ねては、大人達から籠いっぱいにお菓子を貰って去って行く
よくはわからなかったけれど、幼い私の目には凄く眩いものとして映った
皆、笑っていた
皆、楽しそうだった
色とりどりの服を着て
色とりどりのお菓子を貰って
幸せ以外の何ものも寄せ付けない空気で
笑ってたんだ
『………いいな…』
熱いものが胸の内側から込み上げるような感覚
泣き出しそうになる、一歩手前のような
なんだかとっても堪らなくなって
私もその空気に、染まりたくなった