My important place【D.Gray-man】
第45章 10/31Halloween(番外編)
『おばさん。はろうぃんってなぁに?おとなりのこにきいたの』
最初の一年
まだ幼く世界を知らなかった私は、母を求めて小母さんを慕った
知らないことがあればなんでも尋ねたし、とにかく小母さんに好かれたかった
『あんたには関係ないもんだよ。いいから早く掃除を終わらせておしまい。とろい子だね』
だけどその頃から小母さんの態度は一貫して変わらなくて
段々と話しかける回数も減っていった気がする
何かを尋ねれば、いつも嫌な顔をされるから
語尾を上げて聞くことは、任された仕事の内容ばかりになっていった
『ハロウィンってゆーのは、お化けにへんそーして町を回るんだよ。お前しらねーの?』
『へんそー…?』
それでも
歳の近い小母さんの息子のあの子とは、まだ仲良くしていた気がする
『なんでお化けにへんそーするの?』
『大人をおどろかせるためさ!お菓子をくれなきゃイタズラするぞって!』
『なんでいたずらするの?』
『お菓子をもらうためだよ。そーゆーもんなの!』
『そーゆーもんなの?』
『そーゆーもん!お前ほんと、なんにも知らないんだな。バッカだなー』
色んな物事を知らなかった私に、色んなことを教えてくれた
歳は違ったけど、そう離れてはいなかった男の子
私よりずっとずっと物知りだった男の子
なんで私はあの子と違うんだろう
それもよくわからなくて
ただ、物事を教えてくれる度に笑われることも多くて
それが少しだけ、嫌だった