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My important place【D.Gray-man】

第45章 10/31Halloween(番外編)



(またアレに縛られるなんて!絶対嫌!)



何故こうも次から次へと目を付けられなければならないのか。
折角の休日が厄日へと変わってしまった。

独房での重い枷と鎖の拘束を思い出して、ひたすらに廊下を駆ける。
あっという間にティモシーの匂いは遠ざかり、ぐんぐんと飛ぶように走る獣の四つの足は今の雪には救いだった。

テワクがぼやいていた騒ぎというものも、恐らくコムイのハロウィン薬が原因のものだろう。
教団内自体が、ハロウィンパニックに陥っている。
そんな中、何処へ行っても安息の場所はない気がした。

このままトクサからも逃げきって、自室に逃げ込もう。
丸一日閉じこもっていれば元には戻る。
それまで誰にも会いたくない。










「"縛"」










ひゅっと空気を掠める紙切れの音。
ばちんっと痛みと共に弾けるような音が響いたのは、真後ろから。
尾を引き裂くような痛みが走って、強制的に急ブレーキが掛かった。



「きゃんっ!」



前のめりに倒れた体に、顎を床へと強打する。



「きゃふ…!(いったい…!)」

「逃げないで下さいませんか?」



痛む顎を両手───否、前足で押さえながら悶える雪の耳に、悠々とした声が届く。
またあの知った匂いが濃くなる。
ティモシーは振り離せても、鴉でありサードエクソシストであるトクサからは逃げ出せなかったらしい。



「そう怯えられると、追い詰めたくなるでしょう」

「くふん!(ドSか!)」



振り返れば、長い尾の周りに鴉の札が巻き付いていた。
どうやらこの札で尾を縛り上げられ、無理矢理足止めされたらしい。

印を切った指先を立ててゆっくりと近付いてくる。
口元に笑みを称えたトクサの姿が、アレンのような角も尾もなくとも、まるで悪魔のように見えた。
彼こそあのハロウィン仕様なデーモン姿が、ぴったりなのではなかろうか。

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