My important place【D.Gray-man】
第45章 10/31Halloween(番外編)
「あれ?でもラビもクッキーの効果が出たってことは、雪さんにも異変が起こるんじゃないですか?」
「そーいやそうさ。雪、ちょっと尻見せてみ」
「しれっとセクハラはやめてエロ南瓜さん」
「悪態容赦ナシかよ!南瓜だけはやめて結構傷付くから!」
伸びたラビの手をぺしんと払いながら、南瓜頭を睨み付ける。
そんな雪の目が、はたとラビを見て止まった。
「な、なんさ?またなんか異変起きてんのっ?」
「いや、そうじゃないけど…この南瓜の中ってどうなってるのかなって。ランタンみたいに中が明るく光ってるけど…ラビ、熱くないの?」
「別に…って近い。なんか近いさ、雪」
三角の目とギザギザの口の形にくり抜かれた南瓜の中で、ゆらゆらと揺れて見える明るい火の玉のようなもの。
じーっと貫通された目玉の穴を通じて見てくる雪の顔を、遠慮気味にラビが押し返す。
それでも雪は退くことなく、じっと間近で明るい灯を見つめ続けた。
「ちょ、マジで近い。触れる。触れちゃいけねぇ所が触れるから!」
「雪さん、少し下がって。いくら相手が南瓜でカウントされないにしても、このままじゃくっついちゃいます。口と口が」
「アレンも南瓜言うなさ!結構傷付くって言ってんだろ!?」
見兼ねたアレンが間に割り込み、二人の顔を引き離そうとする。
それでも離れない雪に、流石に違和感を覚えアレンは眉を潜めた。
結構な強い力に阻められて、引き離せない。
「雪さん?」
「………」
呼べど返答はなく。
じっと、それこそ食い入るように見つめているのは炎の灯。
ゆらゆらと揺れる明るくまあるい色に魅入られたかのように、雪の暗い瞳がゆらりと光るのをアレンは捉えた。
ゆらりと光り見えたのは、鮮やかな金色。