My important place【D.Gray-man】
第45章 10/31Halloween(番外編)
「ラビ、その…ほ、ほら。一日だけだから」
「今日一日南瓜で過ごせってか!?野菜になれってか!なんの罰ゲーム!」
「でも周りも皆仮装状態ですから…違和感、ないですよ…うん」
「どう見たって一人だけ浮いてんだろ!目立ってんだろハロウィンは南瓜が主役みてーなもんだろ!」
どうにか声は掛けてみるも、やはりフォローにはなってないらしい。
わぁあ!と泣き叫ぶラビを前にして、途方に暮れる雪とアレン。
こればかりはお手上げだった。
南瓜に変わった哀れな兎を救済できる言葉など、早々思い付かない。
「っ…もう!気持ちはわかるなんて言えないけど、元気出して!南瓜になってもラビはラビでしょ!」
やがて痺れを切らした雪が、床に南瓜頭を擦り付けるラビに手を伸ばす。
がしっと両手で大きな南瓜を掴んで、無理矢理に顔を上げさせた。
「人間、外見より中身!見た目に振り回されるような輩は放っておけばいいの!」
「っ…雪…」
「大体ラビはイケメン男子でしょ!?いいじゃない偶には南瓜になったって!」
「…は?」
「365日鏡見れば常に芋顔な人に比べたら、一日南瓜くらいなんだっての!我慢なさい!」
「や、ちょっと待つさ雪さん。途中からただの僻みになっ」
「ほんっと周りは顔の造形整ってばっかで嫌になる。美形であれば中身がどうであっても許されるっていうね。それこそ皆南瓜になってしまえばいいんじゃないかな!そしたら皆中身の大切さがわかるから!」
「うわあ…思いっきり僻んでますね…」
「それオレの所為じゃねぇ気がすんだけど……ユウ辺りじゃね?」
常日頃から任務で行動を共にしていた一番の美形は、言わずもがな彼しかいない。
雪が美形嫌いになった一番の理由は神田じゃなかろうか、とアレンはしみじみ感じていた。