My important place【D.Gray-man】
第45章 10/31Halloween(番外編)
「おっはよ!ねーちゃん今頃朝飯?ゆっくり食ってんなー」
「うん、おはよ。今日はお休みだしね。そういうティモシーはもう食べ終えたの?」
「とっくに!朝一の悪戯も済ませてきたし」
「悪戯?」
「おーおー、子供は元気さなー」
雪に抱き付いたままじゃれるように絡むティモシーに、頬杖を付きながらひらひらとラビが片手を振る。
「つーかオニーサン達もいるんだけど。スルーしないでくんね?」
「あ、いたんだ?あんちゃん達」
「ぅおいッ」
「ティモシーは雪さんに懐いてるよなぁ」
しみじみと呟くアレンの言う通り。
新人エクソシストであるティモシーは、子供ながらの愛嬌と図々しさを持って、すぐに教団に馴染むことができた。
その中でも特に懐いたのは雪に対して。
檻から解放された雪に即座に会いに行き、心配してくれたのもまたティモシーだった。
(ティモシーもアレン同様、優しい子だからだよ)
そう内心でアレンに応えながら、ぽふりとティモシーの猫っ毛頭を撫でる。
"オレ、ノアのこととかよくわかんねぇし。でもねーちゃんのことなら知ってる。仲間思いで腕っ節の強いねーちゃんのこと、オレ好きだぜ!だからノアメモリーがなんだとか、難しいことはいいや"
大人顔負けな程、自分の意思をはっきりと言葉にして、雪に変わらない笑顔を向けてくれた。
戦闘員としては幼く、エクソシストとしての経験も浅いティモシーにとって、教団での規則より身近に接した雪の方が大事だったのだろう。
「ねーちゃんはオレの命の恩人だしな。ホクロのあんちゃんもっ」
「貴方もその呼び名は止めなさい、ティモシー」
「なんで?ホクロのあんちゃんはホクロのあんちゃんだろ?」
「ほーらみろ。やっぱホクロ二つはホクロ二つだって♪」
「兎のあんちゃんみたいな呼び方はしねーよ、オレ」
「ぅおいッ!兎は止めろさ!」
「兎のあんちゃんは兎のあんちゃんだろ」
きょとんと素直な顔で疑問符を浮かべるティモシーの子供ながらの姿を前にしては、リンクもラビもあまり強くは出られないらしい。
そんな明るい陽のような存在のティモシーの登場に、忽ちその場の空気は賑やかなものへと変わった。