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My important place【D.Gray-man】

第44章 水魚の詩(うた)



「そういう太陽みたいな奴だから、余計に受け入れられなかったんだろうな」

「受け入れる…?」

「…自分の正体が」



人造使徒計画。
第二使徒計画とも呼ばれていた、9年前に教団が残した胸糞悪い試み。
聖戦に盲目なまでに勝利を望む教皇が考え出した、道徳を無視しまくった禁忌のような実験だった。
死亡したエクソシストの脳を別の肉体に移植し、セカンドエクソシストという新たな戦闘要員を造り上げる実験。

俺達はとっくの昔に、一度死んでいたんだ。
聖戦で悪魔に負けて、命なんて失っていた。

移植された脳の俺が、こんな実験の道具になることを承諾していたか。
真相はわからないが、そんなことある訳がないと確信はしていた。

誰が好き好んで、聖戦の道具になりたいなんて思うかよ。
誰が好き好んで、また血に塗れる道を歩みたいなんて思うか。

守りたいものがあったはずだ。
脳の俺にだって、アルマにだって。
その人格全てを消されて、勝手に新しい人格を持たされて。
知らないうちに、同じ道を歩まされていた。

血で染まるだけの道を。



「実は俺らは死んだエクソシストの肉片から造られた道具でした、なんて。優し過ぎるあいつには耐え切れないことだったんだ」



砕けた仲で笑い合っていた研究員達も、結局は俺達を実験道具として扱っている人間に過ぎない。
周りの大人に、生きている世界に、アルマは絶望した。



「だからあいつは、計画に関わっていた人間を皆殺しにした」

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