My important place【D.Gray-man】
第44章 水魚の詩(うた)
「はぁ…わかりました。確かに月城雪がノアである証言は取れましたし、知り得たかった情報も手にした。…そこに文句はありません」
「うんうん」
「今回の神田ユウの行動は、結果として我々教団の求めるものと相成った。結果としてですよ、結果として」
「うんうん」
「……よって今回のことは、不問とします」
「ありがとう!やはり君は器の大きな男だねぇ、流石室長となる身だ」
「………」
クロスと違い、胡散臭さは感じられないティエドールの満面の笑顔の褒め言葉。
それでもコムイは渋い顔を浮かべたまま。
「…はぁ」
やがて諦めたように溜息を一つ。
「ですが、許可無く無断面会。警備についていた警護班への暴行。二人の現在の立場を思えばこそ、重大な規則を破ったのは事実。神田ユウの師として、ティエドール元帥には責任を取って頂きます」
「うん?」
「よって処罰を一つ」
「ふむ。いいよ、仕方ない」
淡々と室長として命を下すコムイに、ティエドールは緊張感のない顔で肩を竦めた。
のも束の間。
「一ヶ月間、神田ユウとのあらゆる接触を禁じます」
「ええええーッ!!!」
すぐにそれは驚愕のものへと変わったのだった。