My important place【D.Gray-man】
第42章 因果律
反射的に振り返る。
雪の目に映ったのは、リンクの体にしがみ付いてこちらを驚き見ているティモシーの姿だった。
「月城…君、は…」
傍らに立つリンクもまた、その目を雪に注いだまま。驚愕の表情で言葉もまともに出てこない。
「…っ」
体がふらつく。
待って
眩暈がする。
待って、よ
「雪…さん…」
「なんだ…どうした、アレン…神田…っ?」
聞こえたのは、アレンとマリの声。
微かに震える体を堪えて雪は目を向けた。
足を止めてこちらを呆然と見ているアレン。
その、隣。
言葉も発さず、息を呑んだ顔で見てくる。
普段はあまり見せてこない、珍しくも見えるその姿。
限界まで見開いた彼の真っ黒な瞳と、目が合った。
…ああ、
こんな形でなど。
こんな方法でなど。
望んでいなかったのに。
「…ッ」
神田の真っ直ぐに向けられた目に捉えられたまま、雪は褐色の顔をくしゃりと歪めた。
ぜんぶ、終わりだ