My important place【D.Gray-man】
第42章 因果律
声が、聞こえた
「…っ…?」
ぞわ、と肌を這うような気配。
ざわざわと全神経が逆立つような感覚。
──オ ハ ヨウ
声が聞こえた
優しく呼びかけてくる声
何故か懐かしく感じる
そんな声
だった
──ィイイン…
耳鳴りがする
聞き覚えのある音
感じたことがある
これは──
「ッ…ぁ、ぅ…」
よろりと、体がふらついた。
頭を押さえる。
痛い。
頭が、痛い。
──ィイイン…ッ
耳鳴りが強くなる。
痛みが増す。
体がふらつく。
「月城雪…っ? どうし──」
雪を呼ぶ声。
応える間もなく、バチンッ!と目の前で何かが破れる音がした。
「結界が…!」
「ひゃっはァ! これで限界か!!」
「ねーちゃん! 逃げて!!」
声がする。
リンクと、AKUMAと、ティモシー。
ぶおっと目の前で空気の振動を感じて、雪は顔を上げた。
見えたのは、真っ直ぐに振り下ろされる巨大な機械の拳。
──あ
──駄目だ、避けられない