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My important place【D.Gray-man】

第42章 因果律



「く、そ…ッ」

「い、痛い…よ…!頭…割れる…!」

『マスター…!』


 レベル4の発する超音波。それはエクソシストだけではなく、リンクやティモシーにも悪影響を及ぼしていた。
 直接脳を揺さぶられ殴られるような衝撃。
 まともに立ってもいられない。
 ぐわんぐわんと視界が揺れる中、リンクは膝を付きティモシーはその場に頭を抱えて蹲った。

 それはレベル4が発することのできる"悪魔叫(あくまきょう)"。
 人の神経に直接ダメージを与える特殊技。
 味わったことはないが、以前教団本部がレベル4に襲われた時の情報として雪もその技は知っていた。


「っ…!」


 咄嗟に両耳を塞いで防御する。
 そんなことをしても直接脳に響くその技は、防ぎようがない。


「……?」


 しかし。


(…あれ?)


 雪は違った。
 皆が脳を揺さぶられ動きを止める中、不思議と抗える自分の体に気付く。

 確かに音波のような衝撃は耳に痛い。
 キンキンと耳鳴りもする。
 だがそれだけだ、足を止める程ではない。

 何故なのか。
 理由なんて考える暇はなかった。


(いける…!)


 思い切って塞いでいた耳から手を離し、駆ける。
 向かうは力なく膝を付き、防御として張り出していた札を全て剥がされてしまったリンクの下。

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