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My important place【D.Gray-man】

第42章 因果律



 水面のように側面を波立たせていたが、やがてそれが治まるともうそこにあるのはただのドアの側面だった。
 触れても水面など立たない。
 しかしそれは確かに"普通"とは異なる反応。
 元アジア支部で科学班を勤めていたジジには、見覚えのある反応だった。


「封印って…アジア支部にあるフォーの?」

「ああ。あれとはまた違うだろうが、断片的なもんは似通ってる。恐らくAKUMA側が作り出した結界かなんかだろう」


 アジア支部には支部長であるバク・チャンの曽祖父が造り出した、守り神である"フォー"がいる。
 少女の姿を成した彼女は守り神の結晶体。
 彼女はアジア支部を常に巨大な門で固めて守り、その支部の周りにも結界を張っている。

 そんなことができる者が、AKUMA側にもいたとは。

 千年伯爵はノアでありながら魔道士でもある怪奇人。
 あのノアの方舟を作り出した人物だ。
 結界の一つや二つ、作り出せても不思議ではない。


「結界が張られてるってことは…」

「じゃあ…」

「この中にアレンさん達が…!?」

「恐らく中に閉じ込められてるんだろうな」


 ジジのその言葉に、雪達は驚き目を剥いた。

 となるとAKUMAと遭遇したのか。
 最悪、ノアと接触しているのかもしれない。


「畜生…っおい! マリーッ! 此処にいんのか!?」

「アレンさん! 神田さぁああん!! 返事して下さいぃい!!!」

「な、何よ急に。どうしたってのよ…!」


 ガンガンと一斉にドアを叩き始めるバズとゴズ。
 しかしドアは波紋一つ立てることなく、ビクともしない。
 フォーのことを知らぬボネールには即座に理解できないこと。
 しかし一気にその場を染めた、不穏な空気は感じ取ったらしい。

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