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My important place【D.Gray-man】

第42章 因果律



『うぉりゃあぁああ!!』


 一直線に突進してくるレベル3目掛けて、半透明なティモシーの精神が突っ込む。

 ──が。


 ぺしっ


 呆気ない音を立てて、ぶつかった体はその巨体に弾き飛ばされた。


『…んあ?』


 もんもんもん、と考えること数秒。
 よし、もう一度。


『取り憑いてやるッ!!!』


 突進する霊体。


 ぺしっ


 弾き飛ばされる体。


『…んあ?』


 もんもんもん、と考えること数秒。


『……え。』


(取 り 憑 け な い…!?)

『せやからアカン言うたったのに…』


 ティモシーの本体から抜け出た憑神が、半透明な顔を真っ青にしている彼に近付く。
 やれやれと肩を落とし、呆れた口調で言葉を吐いて。


『憑神は憑いた数だけシンクロ率が上がるんよ。今のワイらじゃレベル2までが限界ゆうことやっしゃ』

『(ええ!?)早くゆってよーッ!』

『ゆったわーッ!!』


 本当にこの主は話を聞いていない。
 勝手な文句を上げるティモシーに、憑神も負けじと罵声を返す。

 ティモシーはまだ9歳の子供。
 視野の狭さは、仕方ないと言えば仕方ないのかもしれない。


『と、とにかくもう一回あっちに戻…っ』

『戻れん』


 レベル3に取り憑けないのなら、先程まで使用していたレベル2の体に戻る他ない。
 慌てて戻ろうとするティモシーを止めたのは、荒げた声を抑えて冷静に事を伝える憑神の声。


『一度憑かれたAKUMAはマスターが抜けると同時に、イノセンスに浄化されて消えてしまうんや』

『え。……まじ?』

『マジやっしゃ』


 その言葉の通り、ザラリと砂のように細かな粒子へと変わり消えていく真っ白なイノセンス化した体。
 ティモシーが抜けたことによって、マスコットのような人形はあっという間に暗闇へと溶け込むかのように、消えてしまった。

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