My important place【D.Gray-man】
第42章 因果律
「おもしろいいのせんすもあるものだ」
何発もの銃弾を延々と打ち込んだ所為か、辺り一面、瓦礫のように粗く削られた地面。
其処から立ち昇る硝煙。
鼻にきつい煙の中から姿を現す白い体に、アレンはつい舌打ちをした。
どうやらこの白い悪魔は、片時も自分達を自由にする気はないらしい。
「まだたいしたちからはないようですね。ゆきなさい、れべるすりぃ」
バラバラとレベル4の足元に散らばる空の弾薬。
その場に小山を作る程の量を溢しながら、白い顔に無機質な笑みを浮かべる。
「こどもをころせ」
そうして告げられた命に、アレンは息を呑んだ。
「フルMAXでぇ~…ブッ潰すッ!!!」
ビキビキと盛り上がるレベル3の機械の体。
無数の目を限界まで開き、ギョロギョロ辺りに散らしながらその場から飛び出す。
向かう先は、吹き飛ばされ暗い地面に沈んでいるティモシーの所。
「チィ…!」
「いかんッ!」
「逃げろティモシィー!!!」
いくらイノセンス化していても、今し方目の前でティモシーはレベル3に力負けしていた。
恐らく今のティモシーではレベル2のAKUMAは倒せても、それ以上のレベルのAKUMAには敵わないのだろう。
咄嗟に声を張り上げるアレンの声は、遠く吹き飛ばされたティモシーには届いていなかった。