My important place【D.Gray-man】
第42章 因果律
「ったく…なんだってんだ…!」
「え…ッなんだって!? それ本当かティム!」
急なAKUMAの乱入。
荒く悪態をつく神田とは違い、驚愕の声を上げたのはアレンだった。
必死にジェスチャーをするようにぴょんぴょんと跳ねるティムキャンピーを前に、驚きの顔を隠せないでいる。
ティムキャンピーはこの状況を理解しているのか。
それを教えてくれるならばあり難い。
がしかし、その理由がわかるのはアレンだけだ。
「ァあ!? なんだってんだよモヤシ!」
いきなり現れたかと思えばAKUMA同士が戦り合って、肝心のティモシーは気絶していて、おまけに白髪のモヤシはゴーレムと会話中。
理解の追いつかない状況に、半ばキレ気味に口調荒く神田は問いかけた。
いつもなら噛み付くアレンも、状況が状況なだけに文句一つ言うことなく素直に一点を指差した。
ただし酷く慌てた様子で。
「あっあれ!」
指差した先には、十字架模様の目玉を強く光らせている真っ白い小柄なAKUMA。
「あのAKUMAにティモシーが取り憑いてるってティムが!」
そして口にしたのは、耳を疑うような真実。
「…な…ッ」
「な…っ!?」
(なんだって!?)
驚き重なった声は、神田とレベル4のものだった。
どうやらその事例は、エクソシスト側にもAKUMA側にも見ないものだったらしい。
「がっぐ、げ…!? ボディがおかっ…おかし…!」
メキメキと肌が軋む音がする。
それはレベル2の豊満で柔らかいボディが、硬質のある組織へと変わりゆく音。
ティモシーの十字架模様の目に6秒間見つめられたボディは、その能力によって人形と化していた。
「院長先生やチビ達を人形にしたクソ技だいっ!」
ピキピキと体を引き攣らせて動けないでいるレベル2に、ティモシーは白い拳を大きく振り上げると真正面から飛び込んだ。
「く・ら・え、怒りのぉ~…鉄拳!!!!」
ドン!とAKUMAのだらしなく開いた口に突き入れる、ティモシーの小さな拳。
しかし小さくとも体は発動しイノセンス化した対AKUMA武器。
レベル2の頭を突き破ると、脳を粉砕するように吹き飛ばし破壊した。
──ゴキンッ
しかし耳にしたのは、嫌な音。