My important place【D.Gray-man】
第42章 因果律
『あ。ゆうとくけど、ワイの声も姿もイノセンス適合者のおまいにしか見聞きでけへんで』
AKUMAに吹き飛ばされて、真っ暗な世界の地面に転がる。
そんなオレに、ふわふわと呑気に漂いながら近付いてくる大人のオレ。
なんだよソレ、本物の幽霊みたいだな…って!
そういうことは先に言えよなぁっ!
「みっ…見えねって…なんで?」
『説明したってもええけど、そんな場合か?』
「ピリッピリするわお前! もうAKUMAじゃねぇだろ!」
「AKUMAをイノセンスにするなんてアリかよー!!!」
確かに、そいつの言う通り。
強く打った頭を押さえながら体を起こせば、文句を叫び肩を怒らせながら近付いてくるAKUMA達が見える。
オレを殴った拳を痛がるように振って。
どうやら呑気に話を聞いてる場合じゃないらしい。
──って、
「…あれ」
待てよ、今。
「…今…"いのせんす"ってゆった?」
"イノセンス適合者のおまい"って、言ったよな、今。
おまいって、オレのことだろ。
適合者って。
…その言葉の意味くらい、オレにもわかる。
「………オレの能力(これ)は…いのせんすなの…?」
『もしイノセンスだったら、この子をどうするつもり?』
『そのガキは黒の教団で引き取ってエクソシストになってもらう』
エミリアの問いかけに、あの女顔のあんちゃんははっきりと言い切っていた。
オレのこの額の玉がイノセンスなら、オレはここにはいられないって…
『そや』
恐る恐る問いかけた言葉。
それにすんごく簡単に、すんごくあっさりと。
そいつは首を縦に振った。
オレが聞きたくなかった言葉を吐いて。